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『青天の霹靂』を観に行ってまいりました。

あんまり元気ではない日々を送っていて、感動というか気持ちが動くことが少ない最近だけど、この作品の予告編はぐっと来るものがあって。
暗く物悲しい感じの大泉さんの顔に自分が重なったり、笑ってるけど同じく物悲しい感じのひとりさんを前に心が動いた大泉さんの顔にドキンとしたりして、このひとたち見たいな、と思ったわけです。

家族のことや自分の状況に俯いてもやっとマジシャンをやってる男が、青天の霹靂に合うお話。
予告の期待と同じものが見られ、気持ちが動くのと、そんなことって!がある優しい家族の物語でした。
とても良かった、感動できた。

なんど涙をこぼし、なんどニコッとできたことか。
主人公の男に気持ちを寄せながら、周りの人びとの姿にじんわりし。
ポンポンと流れていく話のなかで丁寧に描かれた人の姿がとてもいとおしかったです。
細かくいろいろと、ではなく、彼らの気持ちの揺れを丁寧に。

いいな、と思える表情や台詞がたくさんありました。



言葉少なに暗く物悲しい感じの大泉さんの表情がたまらなく好きです。
涙が出てしまう。
同じく笑ってるけど物悲しいひとりさんの姿に心が動かされて気持ちを溢れさせる姿に、これまた涙を流しました。

二人ともいい顔するのな。
親子らしく。
にじみ出ているものが似ていました。

売れないというか、やる気もどこかへ遠ざかってしまったマジシャンの男に、青天の霹靂が。
生まれる直前の両親のもとへタイムスリップしてしまう。
何年も会ってなかったオヤジの若き日。
初めて会う母親。

母親と出会いオヤジと話をして、こんな両親のもとに生まれたから…と思っていた今までの気持ちに変化が。

タイムスリップのよくある展開、ではなく、一人の男の出会いの物語。
なんで生きてるのか…と考えてしまったけれど、なんで生まれてきたのか知ったら。
薄曇りが晴れてくお話。
柔らかく不器用な優しさや愛に触れた男の姿に、良かったねとじんわりと思えました。

『よくわかんなくなっちゃった。』
この台詞がよくわかる。
見失ったわけではない。
もうだめだなわけでもない。
そこにもいけない。
こんなかなと思ってきたことはあるけれど、なんだかどうも違うんじゃないかと思ってしまって、よくわからない状態。
もやもやと。
ぐっと共感できたところでした。

『つじつまがあわない。』と叫んだ台詞には、涙が溢れました。
だって、そんなことになったら、今までは、と。
でもそれがまた新たなシーンに繋がってじーんとくる。
ラストにも繋がって。
良かったねと。

そして…。

オヤジに僕を生むなと言ったこと。
母親にあなたの愛情を思って生きると言ったこと。

たくさんの良いシーンがありました。
主人公をとてもいとおしく思い、ステキだと思えました。


マジックシーンは、ちょっとぎこちないように感じたけども、出てきたマジックをすなおに楽しめた。
それから、ペペさんとチンさんと助手さんとしての演技も楽しかった。
カタコトうまいな、3人とも。
このあたりもすなおに笑いました。