image12日、銀河劇場で『小野寺の弟 小野寺の姉』を観てまいりました。

西田征史氏の同名小説の後日談。
その初日。

大きな事件は起きない、お互いそっと思いやる静かなきょうだいのお話。
くすっと笑える、ちょっと隠れた愛を感じてじんわりする、静かに落ち込むようなことが起こって切なくなる、そんな日々のお話。

このお話も好きだし、西やんの舞台だし、そしてキャストが豪華!っていう楽しみ満載の舞台でした。

あの小野寺さんちが、舞台上にありました。
やっぱりいあお話で、じんわりしました。

ただちょっと期待の方向が私は間違えてたかも。
そこ飛ばしたら、ホントに良かった。

カテコで、促されてちょっとだけ向井氏の挨拶が。
初日なので、まだまだ、あんまりうまくいかなかったところも…的なことを。
そんなこと言うのかー言わなくても良いんじゃないかと思ってたら、横からやっぱり出てきたやまうちたかやー。
そんなことない、これ以上のものはない、と。
思ってても言わなくていいよ、向井氏。
ちょっとしたことで喧嘩してギクシャクしてるきょうだいに降りかかった1日のお話。

だんだんわかってくる喧嘩の内容と、そこにあるきょうだいの想いにあるじんわり感がたまらん良かった。
きょうだいにしかわからない、端から見た状況に対するそういうことじゃないの!っていう想いが。
あいしている、心配している、大事に思うからこそ感じてること。
身近だから感じるし、その想いが強すぎるけど、身近過ぎて逆に伝わりにくいこと。
でも意外と感じてるのよねー、ということ。
うんうん、と頷けること盛りだくさんでした。
親子間でも同じだと思う、これ。
でも、きょうだいだからっていうのも強いと思う。
姉妹な私は、思うところいっぱいでした。
いろいろ、思い出したもの。想ってたこと、やったこと、やってもらったこと、言われたこと…。
じんわり。

そんなことを含みつつの、他人がいっぱい入ってきてバタバタしちゃってる小野寺家の1日。
突然やってきた、家の中で映画撮ります!な人たちがバタバタと。

そんな人たちが動いたから、きょうだいのそれぞれが見えてきた、という流れ。
はじまりと着地点が最初にあって、そこにたどり着くには誰かに動いてもらってこう導いてもらいたいから…と話が作られてるような感じでした。

そうなると、小野寺きょうだいだけ見ようとすればいいんだけど、周りの動きに期待し過ぎると肩透かしかも。
あっそれくらいでフェードアウトするんだ、と所々でちょっと思ってしまいました。
見方変えれば、小野寺きょうだいの想いを漂わせつつ今日という日の出来事をふふっと笑わせて見せてくれる人たち、なんだけど。

そこを、やまうちたかやー、平田あっちゃん、かたぎりじん、森谷さん…たちに担わせちゃってるのが贅沢だわ。
なんかやらかしそうよね。
しかし異色の皆さんだけどやり過ぎず、小野寺きょうだいと絶妙に間を作りつつそこにいる人たちで。(ちゃんと、ものっすごく笑わせてもらったけど。)
展開も演出も、えっ?てなり過ぎず。(いやでもあのカップルの話はもうちょっとあっさりしてても良くないか?話動かすのには必要だったかもしれないけど。)
きょうだいのね、そういうお話なのよね、とじわじわとあとから感じます。

あの方たちがその後どうなったかはわからない。
でも、そんなもんかもしれない。
いろいろ感じてて、いろいろあるけどそんなに劇的じゃなくて、やっぱり根本は変わらなくて。見た目変わってないけど、どこかで変わった部分もあるのかもしれないというくらいで。

なんだか良かったな。そんな感じです。
(毒吐けばたくさん出てくるけど。)

小野寺弟の、雨の場が良かったな。
私は姉なので、小説版からどうしても姉目線で見てしまっていたけど、この舞台は弟よりで描かれてて、弟の想いもよくよく感じられて、そして姉を見る弟に涙たっぷりになりました。
あの子かわいらしい弟よ。小説版からいろいろあるけど、やっぱりあの場で来た。

そして、大好きな皆さん。
やまうちたかやーも平田あっちゃんもかたぎりじんも、登場シーンからたまらんかった。
やってくれた。
お互いの絡みが少ないのがつまらんかったな。

また観ます。
これもっと小さいハコでやるようなものではないのか?と、思ってしまったけどどうだろうというのとの確認もしたいわ。