『(500)日のサマー』を観に行ってまいりました。

サマーという女の子を好きになったトム。
楽しく笑い合え,トムはどんどん夢中になっていく。
だがサマーは,恋はいらないと言う。
そんな二人の500日の物語。

冴えない感じの男と,男が振り返るような女のラブストーリー,ではない。
音楽の趣味が合い,話をたくさんしたり,楽しくショッピングしたり映画観たり,家に招きあったり。
そういうシーンもあるけど、ただそれだけではない。

それぞれの存在の意味が,男側と女側にはズレがあったという視点。
そしてこれはトム目線で見るサマーとの500日。
で,いろいろあって,いろいろあって,いろいろあってがたくさんな,しょっぱいラブストーリー。
ストーリーや雰囲気が単館系で,わかるなーがたくさんあって,なかなかおもしろかったです。
トムがかわいそうでサマーが変わった子とか,トムがおバカでサマーが嫌な子とか,そういうものではなく。
どっちに共感して,というものでもなく。
ここまでじゃなくても,現実でもあるよなーという関係や考え方が描かれてる。
ラストを見ても,サマーのこともトムのこともわかるなーと。
きっとどちらの経験もある人は少なくないのでは・・・。

最初に「ボーイ・ミーツ・ガール」な物語だとことわりがあるんだけど,見終わってなるほどーと。
ありがちな展開ではなく、ちゃんと一貫して描いていて良かったです。

ことわりだけでなく,500日の時系列をバラバラに描いているので,なんかあった!が先に来てたりして,ただのラブストーリーではないな,とわかっておもしろい。
トムの一喜一憂と,トムの気づかないサマーの気持ちもうっすらわかり,500日が繋がっていくのがおもしろかった。

サマーの500日も良かったと思う。
トム目線で見る彼にとっての彼女と,彼女自身の500日はまたちょっと違う。
彼女の変化が,二人の関係やそれぞれの存在の意味をよく描いていたと思います。
決して彼女が悪かったワケではないという。

60年代のファッションを好むサマー,古い映画のシーンやパロディ,新しくない音楽,建物・・・Wiiしてたり現代もあるけどちょっと時代を変えてもイケるような雰囲気も良かった。

笑ったり泣いたりなモノではないけど,ニヤリとしたり共感するところがあったり,後味も悪くなく,おもしろい作品でした。