0b9e6f39.jpg28日と30日に,本多劇場にて阿佐ヶ谷スパイダースの『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』を観てまいりました。

今年もいっぱい観劇するー。
山内圭哉氏と安田顕氏が続々と舞台に立つので,観たい気持ちは押さえられません。
というわけでスタートは,やまうちたかやー。
しかも謎の芝居を作ろうとしている阿佐スパ。
いろんな意味で,ドキドキしながら観に行ってまいりました。

むーん。
想像力とか理解力とか,頭の回転が必要な,わわっ!となる作品でした。
たかやーがどうとか言う前に,その物語自体に引っぱられ,必死で観た。
舞台上で起こっているコトに,夢中になりました。

長塚さんの頭の中は,やはり,おもしろい。
ふかーい,隠しておきたいようなところを付いてくる。
止めて欲しいけど,たまには悪くない,とも思う。
うわぁ・・・と思うような作品でした。

あとはネタバレちゃうので・・・隠します。
・80ページほどのパンフレット。キャストに13の質問してたり,長塚さんの考えていることが文章や対談で書かれていたりして,読み応え合った。

・この質問がネタバレだ。そして,物語の理解の手助けにもなる。

・たかやーのビジュアルは,なんとも言えない感じだった。衣装が地味ーな感じ。髪の毛のエクステは編んでるのかな?体格いいけど,それを隠すような。ああ,中山さんと並んだとき,下になるためでもあるのかな。

・「女」を抱きかかえたときは,ちょっと違った。なんだか,キャラ不明だなあと思ったり。難解なキャラだったように思う。ねこの話とか,病室とか。わかってないだけかな。

・そう言えば中山さんは,噛み噛みだったような。コメディだったら,たかやーツッコめ!となりそうなくらい。長くて堅いセリフだったからか。でもあの喋り方は好き。でもそういうのはいらないお芝居なので,ツッコめと思うのは邪魔な感情だったかも。

・あ,たかやーの「はあ?」はあった!ニヤリとしてしまった。

・この「はあ?」な感じが漂ってて,謎のキャラだったのか。だんだん,あれ?みたいな。

・眉間にシワ寄せ見ている中で,伊達さんはかわいらしいなあ,なんてことを考えていた。しゃべる感じがどうにもかわいらしかった。役がそういうんじゃなくて。このひと,かわいらしいなあ,とあらためて。


で,お話。
これは,うーん,ちょっと息詰まっている作家が見ている夢のお話ということ,なのかな。
夢を見ているときって,なかなかこれが夢だと思わないものだし,いろんなシーンが次々とという感じだし,現実とそうでなさそうなことが交じり合って混乱するし・・・という感じで。
それをそのまま見ているような。

ただ,どこまでが夢で,どれくらいホントの彼の現実が入っていたのかはわからない。
書評はホントなのか,それとも彼自身が感じてることなのか。
奥さんとの仲,奥さんの始めたこと,周囲の人々,起こった事件・・・それぞれ。
そんな感じ。
作家以外は,夢の登場人物,ということだけが最後に示されたけど。
果てさて。
そこは,見ているこちらの想像で良いものか。

こういうタイプのミステリー,ホラーは,最近いろいろ読んでる小説にも似ているので,ちょっと楽しかった。
わ!ってなる瞬間があるのは楽しい。

ただ,生で見るには難しすぎたかも。
巻き戻せないので,なんとか付いていくしかないのでねぇ・・・。

黒い背景やセットで,小道具なんかも最小限にしてて。
時計の音とか,ライトとか,たまに「赤」とか,胎児とか,脳の中で膨らませなくてはならないすごい世界でした。
記憶に刻むのは,俳優たちの姿やセリフばかり。

でも2回見て,ちょっとだけ整理されたのか,シーンでも記憶に残った気はします。
あと,どこが病室で家で外なのか,とか,誰がどこにいるのか,とか。
整理したり,いろいろ省くと,実はそんなに難しくはない。
だけど,理解が追いついていなかったことがたくさんある。
もちろん,まだ,ある。

これを作って,どうやって人に見せるか考えるのタイヘンだったろうなあ・・・なんてことを思いました。


派手なのも軽いのも楽しいけど,「深刻な」のもたまには良いものです。
ぐるぐると,する。
エンタメのくくりでそういうことが楽しめるのは良いと思いました。