そして最後にもう1本,『なくもんか』を観てまいりました。

親の離婚で,それぞれ離れて一生懸命生きてきた兄弟のお話。
人前で泣かず笑顔を作り続ける兄,ひとりぼっちだった弟。
再会したけどなかなかうまくいかない。
シンプルじゃない展開で,いろんなエピソードがつまった家族の物語で,多少なんだかはっきりしないところもあったけど,悪くなかった。

笑ったり泣いたり怒ったりしている人たちを観ているのはおもしろかったです。
ぎゅーっと胸が痛くなったり,スカッとした。

兄弟も家族も他人も,皆なんだか多少なりともわだかまりを持っている。
だけど,うまくやろうとして生きている。
その形はひとそれぞれで。

そしてこの物語の兄は,ただもう「なくもんか」なんだというお話。

理屈じゃなくて,こういう人もいるんだろなーっていう。
なぜとかはっきりさせないけど,イイとかワルイとかでもなくて,それがこのヒトなんだと納得できてしまった。
しかたがないか,と思えるようなセリフやエピソードがあって,あぁ・・・と。

兄だけじゃなくて,家族それぞれ,このひとはこういうひと!っていうのが,はっきり言葉で言い表せるワケじゃないんだけど,なんとなく掴める描かれ方で。
弱さと,他人からは曖昧な部分と,秘密の気持ちと,愛情と。
表される形は違うけど,同じモノを皆持っているよね,という感じで,それがもうとても愛らしかったです。

そんななんとなくなキャラクターたちだから,ハードな事態とは裏腹にふわふわっとお話は進んでいくので,スッキリできないところもありましたが,それも込みなのかもしれません。
そして結果,後味は悪くなかった。
もちろんそれなりに皆ちゃんと主張はしてるからというのもあるかも。

救われるとか救われないとか,許すとか許さないとか,幸せとかそうではないとか,はっきりきっぱりしてはいないけど,自分で見つけて自分で答え作って生きていくのがフツーなのかな,なんて思いました。
それぞれいろいろあるけど,これが今一番いいことだと思う,っていうところで生きてるんだろな,と。

家族って,すごい特殊な集合体だわね。
そういうのを,笑いで包んで描かれたお話でした。

薄ら寒い!と怒鳴って蹴りを入れるてっちゃんは良いスパイスでした。