いろいろ観てますがちっとも書いてないですなー。(やまうちたかやーとか,かたぎりじんとか,ぶらすととか,今月も観ました。)
さてさて。
水曜に『おくりびと』を観に行ってまいりました。
最近邦画ばっかりですー。

とても静かな作品でした。
映画全体のトーンだけでなく,そこに流れる感情も合わせて,とても静かで穏やか。
ちょっと難しさもありましたが,心の奥底でギュッと掴まれるものがあり,グッと見入る良い作品でした。
雪が降り積もる,桜が舞い散る,川が流れる田舎の,静かな風景。
しぃーんとしている。
そして,言葉のない亡くなった人を,遺された人々と共に気持ちを込めて静かに送るおくりびと。

私はまだああいう瞬間に立ち会った経験がなく。
また,映画に出て来るおくられるひとたちには,それぞれの人生や繋がりが深くあり。
おくるひと,おくられるひと,そこに居合わせたひとの気持ちを汲み取るのは難しかった。
亡くなる,ということの悲しさはわかるんだけど,近ければ近いほどいろいろあるのだ。
だから,生前の姿が見えていたあの人の死は,悲しみの感じ方が重かったのですな。

そんなわけで,ちと難しさのある作品でした。

でもその難しさは苦しくない。
登場する人たちの姿を見て,彼らの感情や物語を心の奥の方で感じる。
じんわりと人の生死を感じ,死というものを考える。
あの裏でね,おくりびとがね,むすこに語った話とかね。

宗教的な考え方ではなくてね,おくるひとたちが,おくられるひとや自分をあらためて見つめなおす姿は,なんだかじーんとしました。
こういうことは,どうしても時折ふと考えてしまう。
そしてじわっとその時の自分にあった考え方をしてみたり。
そんな感じの作品でした。

役者さんたちが出す雰囲気も,じわっと溶け込む感じでとてもよかったです。
乱されないのが心地よかった。

ああ,観る側に寄り添った描き方のされた作品でしたなー。