『アフタースクール』を観に行ってまいりました。

なかなかおもしろかったです。
あぁー・・・なるほどねーというお話。
ちょっとニヤリとしちゃう,こういうタイプのお話はキライじゃない。
それになんだか妙に後味が良かったです。
グーッと引き込まれたというより,なんだか最後まで観ないと!と思わせられた感じで。
あんまり頭を使って映画を観るタイプじゃない私にはなかなか素直に楽しめました。

うわーっとね,大騒ぎするようなドキドキ感はないんだけど,でもなんだか後から話・・・というよりいろんなシーンを思い出してニヤニヤしてしまうような作品。

軸になってるお話はあんまりねー。そっちかー・・・と。
それから,ふわふわとした映画の世界なんだ!っていう特殊な感じでもない雰囲気でして。
あんまりそういうのは好みではないのだなあ。
でも,うーん,ストーリーばっかりに注目する作品でもない感じなのがそういうところなのか。
3人の,30代の様々なタイプの男の姿を観るってのもあるお話。
教室のあの短い個人授業なんか,グッときました。
いろいろ考えてしまった。
うーん,軽いタッチで終わらない,大人な映画でしたな。
なんとなく邦画っぽくない,ただの邦画で終わらせてなくてよかったです。

以下ネタバレで覚え書き。
・堺さんが誰かと同級生っていうのはあんまり観た経験がないので不思議な感じだった。で,それが大泉さんてのがちょっと意外な組み合わせでますます不思議。

・それがわりと,ああイイじゃない!と最初の車のやり取りとか木村再び登場までは思ってたんだけど。でも結局,木村がああいうヤツ(妹ちゃんに慰められる)だとなると,やっぱりよくわかんない。似てるんですよなー,なんとなくこの2人はポジションが。まあ友だちで悪いワケじゃないけど。

・でもこの作品は間に佐々木さんが入ることでバランス取れてる。まあ,そういう話でもあるので,神野と木村はやっぱりあの2人なんでしょうけど。

・「全ての喜怒哀楽を笑顔で表す男」(BYもっしゃん@うわさのおとこ。最近観た。)の堺さんだからこその木村で,振り回されるだけに見える大泉さんの神野ってワケだ。

・ちなみに神野先生のウラはそんなに驚かなかった。というか,あの部屋に戻って木村がいるシーンではまだ全てがクリアになるワケじゃないからかな・・・。あれあれ?となったままで,だんだんと。

・私的にはやっぱり山本圭さんですなあ。うわーっとニヤリとしたのは山本さんでした。普通に信じてた。家での感じと厨房でのスーツ姿のギャップ・・・。

・妹ちゃんもかな。学校で話てて,それが本人出てくるとは思わなかった。

・それにしても。与えられた情報とそれまでの経験とかからホントに簡単に先入観て持っちゃうもんだなあ・・・。それから,会話って聞こえただけが全てじゃないとはわかったていてもやっぱりまんまとハメられちゃうワケだ。

・あの人たち(警察)はコワイと神野先生が言う感じが好きです。いやいやホントにコワイよって。 結局神野たちはコマだし。

・神野たちがずらりと並ぶ警察幹部僚の前にいる姿は笑いましたなあ。皆でうどん食ってるってのもイイ。

・音尾さんがいましたなあ。あのひとたち5人はなぜだか教師に違和感がない。

・ムロさんと中山さんもいましたなあ。2人はちょっと似てる・・・ふふ。あっ,美紀が病院に行くとき。車で登場したムロさんじゃなくて神野先生の「うまれる・・・!」はよかったなあ。

・警察の皆さんの存在感はよかったですな,ホントに。さりげなく関係者いっぱいじゃん!という,実はすごい働いてるんじゃん!っていう存在感。

・後味がよかったのはたぶん,表と裏がない人たちばっかりだったからでしょうなあ。(もちろん裏切り者もいたけどさ。)

・状況とか,隠れて・・・とかは表と裏があるけど,それは第三者から見た表と裏で。実際,神野先生なんてたぶん,ただただ目の前の状況に走り回ってただけ。結果や見た目はどうであれ,初めから誰かを陥れるつもりで動いてるワケじゃなくて。なんだかそうなってしまった・・・というのが,いやーな気持ちにならない理由なのかなあと思います。

・他の人たちもね,木村だって北沢だって,ヤクザだって社長だって,結局いやーなところが極力省かれてて,なんとなく同情までしちゃいそうなくらいなのが,あったかなあと。

・ま,締めるのは神野先生の人柄でしょうが。美紀が昔から神野先生を好きだったってのとかね。

・それに神野先生は,教師だとか,警察とかあんまり関係なく,捕われ過ぎずに生きてる人なんだろうなあ。

・だから,教室で北沢につまんないのは自分のせいだと言ったのが,説得力あった。ちょっと泣きそうになった。いい人でした。

・で,それに惑わされちゃうんだけど,よく考えるとハッピーエンドだったのは神野と美紀で,木村も北沢も妹ちゃんもちょっとかわいそうよね・・・。せつない・・・。

・アフタースクールという言葉はいろんな意味で取れるのですな。いいタイトル。放課後,学校のあと,学校だけじゃない・・・。卒業して時間の経ってしまった大人だからこそ感じられるものもあったなあ・・・。