しばらく中断していた演劇DVDの感想を久しぶりに。
昨年の作品『宝塚BOYS』。

戦後間もない頃,宝塚歌劇団にあった男子部のお話。
夢を持ち,耐えて,たくさんの壁に当たり,受け入れてもらえない自分たちに諦めて。
悔し涙を流しながら,でも諦めきれずに希望を持ち続けた男たち。

ゼロからスタートし,お互いの存在を意識し合い,仲間となり,夢を見て,打ち砕かれて,やりきれない想いをぶつけあい,励ましあい・・・。
がんばるひとたちの姿を描いた物語は,青春の物語は,泣けるもので。
ただただ彼らの姿を見ることで,胸が熱くなります。

戦争という時代を生きてきた彼らは,やりきれない想いや虚しさを抱えつつ,新たなものに大きな希望を持っている。
でもそこには決して明るい未来が待っていたワケではなく。
長く苦しい年月を過ごしすことになる。

ぐーっと惹きこまれる舞台でした。
7人の男たちの行く末を,彼らの熱い想いを見届けたいと思わせてくれるお話。
結末はわかっているのだけど,それでもほんのり希望を持って観てしまう。

泣きました。
彼らに共感し,その想いを強く感じて涙が出ました。

この夏,再演だそうで。
しかもやまうちたかやが出る・・・。(衝撃のちらしを見た!そしてやはり太田川役!)
・本家宝塚は観たことがございません。一度観たらはまるそうで。お芝居は男の人を観る方が今は好きなので,遠い存在。

・だから,なぜ宝塚は女性だけなのか・・・って普通に疑問で。それが余計にこの男子部の彼らの気持ちを受け入れられない状況がもどかしい。イイじゃないか。

・もちろんラストだって,悔しいから泣くのです。あの見せ場だって,これ見たいじゃん!と思うのです。(良いと思う。冷静に見ておかしいとは思うけど,花を背負ってたってイイじゃないか。あの男声コーラスだってステキじゃないか。かっこいいじゃないか。)

・『モン・パリ』は好きです。稽古場でおかしな振り付きだって好きです。

・びみょーにおっさんなキャストたちなのは気にしない方がイイのか。まあそのうち気にならなくなります。でもさすがにこれだけ男子部としての人がいると,苦手な人はいる。仕方ないのだ,好みの問題だ。

・いろんな出の,宝塚のイメージには程遠い感じの雰囲気の人たちばかりで,初めは非常にびみょーな空気。なぜ君は宝塚に・・・?という。でも,最初の稽古場〜寮あたりを乗り越えるとはまります。

・ちと,みんなそろって演技が大きいのが気になりますがな。動きや台詞がね・・・力入りすぎ。もうちょっとばらつきがあってもイイと思うのだが。それに,「駆け寄ってしゃべる」みたいなのは苦手なのだ。

・でも飛びぬけちゃう人がいない方がイイお話ではある。それぞれになるべく同じように気持ちを持って観ていたい。

・マジメで熱いお話ではありますが,なかなか上品に,でも男臭く笑わせてくれます。わりと。笑いが止まらないというほどにはならず,良いスパイス。

・池田先生がステキだ。イイ役だ。厳しそうでおもしろい。靴でひっぱたいたぜ。「すまん,あやまるっ」とか「・・・後ろ足」とかイイ。

・でも一番は。解散を告げに来るときのあの顔がたまらなく苦しいです。「こどもたち〜」。9年はこの「お父さん」が支えていたのだなあ。少しずつ見えてくるこの人の働きに,目が潤みました。この人が一番熱かったのかもね。

・後ろ足・・・この辺りはちょっと笑いつつも,最初のとっても悲しいシーン。泣きそうになります。1回最後までお芝居を観て,結末を観て,それから観ると余計に泣けます。

・生ピアノで観る舞台は良かっただろうなあ・・・。

・いやいや,ラストの大舞台も含め,映像でも十分感動できました。「立ちたかったね。でも頑張ったよね。思い出になってしまうけど・・・。」