111焼津市文化センター(小ホール)へ,「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ『(タイトル未定)』〜このライブのタイトルはタイトル未定です〜」を観に行ってまいりました。
作・構成・演出・出演:吹越満。
吹越満さんのソロステージでございます。

(ああ,これに行く前に先月の諸々の感想を書きたいなあと思っていましたが,間に合わず。そして,もう今月中はいろいろ忙しくてとてもムリですな。)

2時間弱のステージ,たくさん笑わせていただきました。
マイム,コント,ひとり芝居・・・いろいろあって,どんなジャンルと言ってイイのかわかりません。
うーん,シュールな感じだったり,バカバカしいんだけど実は結構観ている方も頭を使ったり。(らーめんずとかに似てるのか・・・な・・・?)

お笑いの舞台ってのをほとんど観たことがないので,ひとりやひとつのグループがどんな風に1回のソロライブをやるのか知らないのですが。
こんなにいろんなコトをやるもんなんだろうか。
とにかくおもしろく,次々といろんなモノを見せてくれる。
しかもパフォーマーはひとりだ。

次は何を見せてくれるのかと身を乗り出して観賞してしまうほど,動きや言葉,想像力,映像,物・・・いろんなモノを使って笑わせてくれる舞台でした。
ホントに楽しかったです。

クセのある俳優さん,くらいのイメージしかなかったのですが,こんなモノを見せてくれる方だったのですなあ。
今さらながらチェックしてみますと,元WAHAHAで元々こういうコトをやっていた方なんだそうで。
ちょっとイメージが変わりましたな。

ライブの内容は,続きで。
内容と言っても,こういうのを説明するのは難しいのですなあ。
ま,以下は覚書でございます。


オープニングからくすくすと笑いがもれるように始まりました。
鏡に文字を書いていきます。(それがスクリーンに映ります。)
「切りましたか?」
「ケイタヘ 切りましたか?」
「ケイタイ 切りましたか?」

確認するお客さんたちと,客席を見回して確認する吹越さん。
うなずくお客さんに合わせて,吹越さんもうなずく。
くすくす。


そして,フラーッとステージ前に出てきて,お話をはじめました。
 「ソロアクトライブ観に行ってきたんだー。」
  「へえ,舞台なんだ。何てタイトル?」
 「タイトル未定。」
  「ああ,まだ決まってないんだ。」
 「ううん,タイトル未定。」
  「だから,タイトルがまだ決まってないってことでしょ?」
・・・っていうふうになっちゃうと困るでしょ?という話。

今回のツアーのタイトルは,「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ『(タイトル未定)』〜このライブのタイトルはタイトル未定です〜」でして。
その理由がここでわかりました。

ちょうど話の途中あたりで入って来たお客さんに,「何の話かわからないでしょうが,このライブのタイトルは何がいいと思いますか?」と。
一瞬戸惑ったようですが「春」と言われ,ちょっと困る吹越さん。
で,他のお客さんを指名して同じように聞きますが,「春でイイと思います。」と。
「僕は良くないと思う。・・・聞き方が悪かったなあ。」と質問を変えてもう一度聞きます。
「好きな食べ物はなんですが?」「納豆。」
納豆にもちょっと困ったようで,もうひとり指名すると,今度は「まぐろ」。
ちょっとまた困ったみたいですが,「焼津だしね。」と納得し,今日のライブのタイトルは,『まぐろ』になりました。

ちなみにまぐろと答えた方はツカモトさん。
エンドクレジットに,「タイトルを考えてくれた人 ツカモトさん」とちゃーんと出ていました。
それから,会場に貼ってあった今日のポスターにも,これまたちゃーんと「まぐろ」と書かれておりました。

というワケで今日観に行ってきたのは,「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ『まぐろ』」でございますー。
まぐろって・・・。


そしてライブのはじまり。
初めは,3人家族のマイム。

「この世界は無いものをあるように見せるパントマイムとは違うんだ。むたいしょうの世界で,ものはあるんだ。」と繰り返すお父さん。
でもまあパントマイムです。

朝起きる,目覚まし時計は鳴っているけど見当たらない。
「よし,ここにあることにしよう」と勝手にある場所を決めて,止めたことにするお父さん。

次にお父さんは台所に行き,牛乳を飲もうとするマイムをする。
 「あなた,冷蔵庫はそこじゃありませんよ。そこは食器棚です。」
 「じゃあ冷蔵庫はどこにあるんだ。この辺か?」
 「いえ,もうちょっと左です。」

わかりづらい。
だけど,なんだかそのわかりづらさがおもしろい。
それからもちろん,お父さんのめちゃくちゃ感と,お母さんのつっこみもおもしろい。
くすくす,という笑いと一緒にところどころ爆笑も。

それからそれから。
いろいろありました。


「仕草をデコレーションする装飾物店」なんてコントだったかなあ。
ネクタイ,ハンガー,バッグ,メジャー,ファブリーズ,飽きペットボトル,お菓子の飽き袋・・・。
いろんなモノが並ぶ店。
それは全て使い方がある。

メジャーのひさしぶり!はホントに笑いました。
ちょっとひさしぶりの友人に会ったとき,数年ぶりに会ったとき,初恋の子に会ったとき。
それぞれ「久しぶり」と片手を挙げて言った瞬間の手の挙げぐあいが違うのです。
何センチ!何メートル!何寸!


「物の状態に関する質問」というタイトルの出たコント。(コント?)
ステージ上に,とある物が置いてあって。
で,それが何でそういう状態で置いてあるのか吹越さんが当てるワケです。
その当て方がひとり芝居でおもしろい。

ひとつめは,テーブルの上に横に倒された靴。
「あ〜した天気にな〜れ!」で転がった!とか,靴の紐を持ちながら酔っ払って寿司を持って帰ってきたお父さんがテーブルに置いたとか,テーブルを崖と見立てて落とされたけど相手の靴を掴んでるヤツだとか,ブブーッと不正解音が鳴るたび考えて答えていく。
こうなってそしてこの靴はこうなっているのだ!と推理したときの,「どうだ!」って顔がもうたまらなくおもしろい。
だって推理内容はくだらないのだもの。
だけど,ありえるのだもの。
(結局正解は何だったっけ?)

他にはパイプいすが2個重ねられていたり,仏壇が登場したり,と3回シリーズがありました。
どれも全然違ったところからアプローチしてて,そのアイデアに驚きでした。

そして,ソロライブですから,ほぼステージ上から消えられません。
ステージ隅にタオルと水分が置いてあるのですが,それすらもパフォーマンスのひとつになります。


帽子を被って,置いてあるお茶を飲みたいらしい男。
お茶に手を伸ばしたかと思うと,ふっと暗転して,次にライトが点くとお茶を飲んではいますが帽子はポールにかかっています。
あらっとお茶を置いて帽子に手を伸ばそうとすると暗転。
ライトが点くと,帽子を被って置いたはずの場所に手を伸ばしていますが,お茶はなく,後ろの台に移動しています。
暗くなるのはほんの一瞬。
瞬きすると,パッと変わっている状況・・・という感じ。
Tシャツを脱いでいたり,靴や帽子が背中に乗っていたり,とにかく一瞬で状況が変わっている。
もちろん吹越さんの動きが素晴らしいのですが,照明サンとのコンビネーションも。
(かなり激しいコントをした後に息を切らしてお茶を飲んでいて,何度かライトが点くけど,まだまだ,とそんなのもありましたなあ。)


有名な映画のタイトルがスクリーンに出て,その映画に合わせたコントをはじめると,ふとタイトルが一字欠ける。
そしていつの間にか,その抜けたタイトルのコントに変わっている。
これはテンポの良さがたまらなく良かった。
わかりにくいのも下ネタもあったけど,まあイイや。
「永遠の1/2」の遠欠けは,じわじわという笑いで,しかも会場中が同じように一歩遅れて笑い声が増えて行く感じがこれまたおもしろかったです。(ちなみに,「えい さんすけ」でございます。)

何タイトルあったのでしょう。
畳み掛けるように,いろいろ飛び出して。
どいたるねん,カサブンカ・・・。


こんなモノもありましたなあ。
白鳥の湖の曲が流れ,踊りだす。
気づくと背景は,散らかった部屋。
バレエを踊っているかのように見えるけど,実は掃除をしていて。
ちょっとずつキレイになっていく部屋。
もうすごい動きで,汗だくだけど,最後まで激しく,くるくるぐるぐるコロコロ。
その動きにも,その発想にも,さらにはちょっとずつ混じる笑いどころにも,もうすげえの一言でした。


「今までやった中で一番登場人物が多い芝居です。」というコント。
スクリーンに登場人物らしき名前がまず出て,何役もしていくよう。
これが!
お客さんも登場人物とか・・・?なんていろいろ想像してみたのに,全然違いました。
 奥田「浅井」
 浅井「はい!」
 奥田「伊藤」
 伊藤「はーい」
学校です,出欠です,先生と生徒がたくさん・・・!
わかった瞬間,お客さんがどっと笑う。
あぁ,こういう笑いのモノが多かったですなあ。
ちなみにこのコントはただこれで終わりではありません。
話は膨らむ。
数年後に同窓会の計画を立てる学生たちが登場し,先生のモノマネが入り,それぞれの生徒もひとクセあり。
高橋に千葉,鈴木,藤由,ポチ,そして王さん・・・。


ラストは「命がけの舞台」。
「舞台で死ねたら本望だと言う役者さんがいるけど,実際舞台で死ぬとしたら病気か事故だと思う。」というコトで,命がけの舞台とは何かと2か月考えたのが・・・。
ボーリングのボールを2個吊るして揺らして,その合間をぬって喫茶店コント。
当たったら命が・・・ってコトです。
おもしろく,ではなく,ホントにうまくやらないと命がけになっちゃうモノでした。
(でももちろんうまかった。すげえ!という拍手で終わった。)
うまく行きましたので,これで次の公演にも行けることになりました。


最後はカーテンコール。
没ネタを披露してくれるそうで。
「これはチケットの料金には入っていませんので,トイレに行っていただいても,帰っていただいても・・・」と言ってから,ひとつ映画タイトルネタを。
「シザーハン」。
長いんだけど,でもおもしろかったです。



おまけ。
焼津は「初めて呼んでいただきまして」というお話でしたが,うーん,あんまり売れてなかったそうで1000円引きで売られていたところもあったそうな。
おもしろいのになあ。
ちっちゃなホールで良いのでまた県内に来ていただきたいです・・・。
ただし今回はイスが悪くてつらかったので別のところで・・・。