『バンテージ・ポイント』を観に行ってまいりました。

「8人の目撃証言が・・・」なんていうから,捜査官が警察とかでじっくりいろいろ話を聞きながら,うそを見破ったりしながら,犯人を突き止めていくような話かと思っていたら。
それは,ちょっと違いました。
いろんな人間たちがそれぞれの目から見たモノを,観客が観客として見ていく。
ひとりがワケあって動いたのをその人の視点の映像として見せ。
その人のその動きを,別の角度から見た人がいて,これまたその人の視点の映像ができ。
それをひとつひとつ見ていく。
そして,人々が交差し合い,結末へと向かっていく。

ひとつの事件をいろんな角度から見ることができる。
一方から見た出来事が,違う人の目で見ると,それは流れのひとつであったり意味のわからない唐突であったり。
そして繋がって見えてくる,ひとつのこと。

なかなかおもしろい作り方の作品でした。
しかも勢いのあるサスペンスで,アクションもありなかなか激しい。
思わず身を乗り出して観てしまうほど,ワクワクドキドキもして。

カーチェイスは,内容ではなく,見せ方がうまく。
見ごたえがありました。
それもまた,視点やカメラ位置,編集の力。

できごとそのものの新しさではなく,それをどう見せるかというところにこだわった作品ですな。
主人公のは特に面白味の無いよくあるキャラだし(やっぱりそういうキャラを使うんだなー・・・というがっかりが。がっかりといえば,ハワードの最後もなんだかなー・・・。),見えてくるモノに実はそれほど驚きはないし,やってることもそんなに・・・。
でも,クリフハンガーを使ったり,テレビの映像やビデオの映像も使ったりと,いろんな目を持たせていておもしろいのです。
最後まで楽しめるという。

8人分(それ以上)の目がありますから,くどくなりそうなところですが,90分という短さに押さえて,余分なところを排除して早いテンポで展開させ,さらに派手さも加えることで,まとまっているところも良かったです。


大統領が,ただのオキモノじゃなかったのは,やった!と思いました。(車の中の,ね。)