『ガチ☆ボーイ』を観に行ってまいりました。

先月試写会があったのだが,仕事で行けなかったのだよー・・・。
ムリしてでも行けば良かったなあ。

というワケで,おもしろかった。
そして泣けた。
かなりボロボロと泣きました。

学生プロレスが舞台の青春映画。
熱い。

けれど,ちょっと重くて切ない。
明るい映画にちょっと重めの設定をプラスして泣けるドラマにした作品でした。
プロレスは苦手です。
おもしろさがわからない。
だからこの作品も・・・観ようかどうか迷いました。

プロレスが,どれくらいプロレスなんだろう,と。
血まみれ痣だらけの,汗が飛ぶようなものっすごくCGを多用したスポコンものだったら厳しいな,と。

でも大丈夫でした,その辺は。
生々しさはなかった。
けれど,ウソっぽくもなかった。
ドラマを壊さず,でもプロレスの熱い勢いはしっかり描いておりました。

プロレスがおもしろい!とはやはり思わなかったけれど,ドラマの中のひとつの見どころとして,彼らの気持ちの動きや日々が表現される場面のひとつとして,見ていておもしろかったです。

役者さんたちがこれまたちょっとおもしろい。
佐藤くんに,なんでか脚本を書いた西田さんが学生で。
その辺が,ただ若い子たちがガンバルというだけの話じゃなくてイイ。
大人がやる,青春映画。
それが悪い方向へ行っていないのがイイですな。
コメディに走り過ぎず,適度に青春でがんばって・・・。

お話自体の方向がきっちりしているからおもしろいってのもあります。
安全第一の学生プロレスの練習や,試合が組まれていく辺りの話は走っているけど,五十嵐くんの設定があるからまあイイかと。
そしてそれがどっちも引っぱり合っていて偏っていないから,おいおいまたそんな展開にして・・・と引いちゃうコトもなく。

笑ってプロレスやって。
家に帰るとちょっと重い五十嵐くん家。

お父さんがイイです。
登場からイイ。
居酒屋での姿もイイ。
こういう役はこのヒトに限りますなあ。

お母さんではなく,お父さんってのも好きです。
お父さんが息子の部屋に入って日記を見て・・・なんてシーンはもう涙が止まりませんでした。
ポツポツと,感情を爆発させるとこまでいかない姿が泣けます。

妹の,お兄ちゃんを心配する妹らしい姿も好きです。

ああ,いろんなシーンを,足早にはしないけどでも,ダラダラと描かないのが良かったのでしょうなあ。
いろんな意味で,バランスのイイ作品。


うーん。
ここからは,観る前に知っていて良かったのか,知らない方が良かったのか・・・と悩む,重いドラマ部分の話。(ネタバレみたいなもんだ。)

何も知らずに観たい映画ってのがありますが,なかなか前情報何も無しでは多くの人には観てもらえない。
予告編だったり,いろんなところでちょっとずつ興味を引く情報を提示する。

この作品も,『眠るとその日の記憶をなくしてしまう』という記憶障害(高次脳機能障害)の男が主人公だと普通にいろんな媒体で見かけました。

で。
彼が記憶障害だということがわかる場面が中盤にあります。
それまでは,彼はなんとなく変わっているヤツだという雰囲気のみ。
ここで初めてキチンと明かされる。
この辺りの一連のシーンを見ていると,物語の中の人たちだけでなく,観ている方にも初めてそれを知らせるような見せ方です。
彼が朝起きたときのシーンがそこで入っているということは,そういうコトなんだと思う。

うーん,だから,ホントはこれは知らない方がイイのか。
その方が,後半より彼に感情移入できるような気がしました。
前半がなんだかもどかしいのだ・・・。
その辺りでやっとホッとして,ドラマが動く感じがしました。

でもこれプロレスの話だからなあ。
私もそれがなければ観なかったかもしれない。
ムズカシイ・・・。


そんなワケで。

起きたらもう前の日の記憶はない。
自分が生きたという記憶が無い。
それがこの先ずっと続く。

自分には残らないけど,みんなの記憶には残ると言われ,納得して生きていけるだろうか。
五十嵐くんは,カラダに残るプロレスを選んだ。(ここが泣けました!)
それで生きてるってコトを感じられ始めていたから,みんなの・・・と言われることも受け入れられたのかなあと思います。

ギブアップをしない五十嵐くん。
負けず嫌いなんじゃなくて,それがこれから生きていく彼の決意なのかなあ,と思う。
ギブアップしたら,そこで終わっちゃうんじゃないかという。

私はどうやって生きよう。


これはおまけ話なんだが。
あさこちゃんに振られるシーンがありましたなあ。
バスの中で,ボロボロ泣くあさこちゃんが「ごめん」,「それ4回目」って言うのにはもう涙が止まりませんでした。
あさこちゃんにも五十嵐くんにも。

でもそのあとバスを降りて涙を流すと,どしゃぶりの雨が・・・。
演出としてイイとは思うのだが,もう見飽きた。
失恋してずぶ濡れってのは。

ただまあ,お父さんが痣に気づいてばれるという流れに持って行くにはしょうがないか。
と思うが,やっぱりなんとなくガッカリしたシーンでしたな。