もう1本,『音符と昆布』という作品も観てまいりました。

火星人がやってきた。
おねえちゃんだった。

ふわふわとした雰囲気の作品でした。
ちょっとレトロで,ちょっとつかみどころがなくて。
ドラマチックでもないけど,でもなんだか簡単じゃない。

うーんなんだろう,はなとありすとかかもめしょくどうとか,そういう感じ(何となく似ているという。何となく)。
こういうの,キライじゃないです。

ふわふわと。
だけど時々ジワーッと胸に来る。
お皿で卵焼き作ってたみたいな感じ。
ジュッと焼かれる。
ももちゃんとかりんちゃんの2人の雰囲気がかわいらしいのだなあ。
もうかわいいとしか言えない。

かりんちゃんは特に。
ワンピース,お茶漬け,昆布,ピアニカ,金魚,音符,おかあさん,あだ名・・・。

ニヤッと笑えるシーンがたくさんでした。
ごちゃごちゃと余分な説明をその都度うっとうしく入れてない。
街灯のシーンのくだりだって,そういえばあれが繋がるんだなあとふと思ってニヤリとする。
しかも,ナゾを引きずってここで解明というワケじゃなくて,なんとなく描いていて,ああ意味があったんだ!と繋がる。
だからニヤリとしちゃう。
そんなところがこそっとあって,それがまたイイ雰囲気でよいのですな。

映像もポロッとそんな感じで出てくるものがある。
それから会話も。
ももとお父さんの「逃げたね」とか・・・。
もちろんそれについて,ごちゃごちゃと説明はない。
でもわかる。
ニヤリとする。

優しく穏やかな作品。
だけど時々ちょっと酷なお話が描かれたり,キツイ会話も出てくる。
夢のお話じゃない。
それをふわふわとした雰囲気の中で描いている。

不思議な時間が流れてて。
そして不自然じゃなく,時と心が動いていく。
いや,多少説明不足だけど,でもそういうもんかもなと思ってしまう雰囲気なのですな。
こう,簡単には表せない心の動きがそれぞれにあるのだよ,と感じられて。
で,物語の展開に流されていく。

それは全てかりんが中心なのだからでしょうなあ。

感動して泣くとか,おもしろくて笑うとか,そういうのとはちょっと違う。
なんとなく癒されて,なんとなく幸せな気持ちを感じるような作品でした。

75分という短さもまた,合っているというか,その短さがこういう作品を生んだのかーという感じだ。

かりんちゃん・・・。
こういうお話は自分の仕事に繋がっちゃうのですが,そのひとのそれをどこまで受け入れられてどうやって助けるかってのがね,悩みどころなのです。
かりんちゃんのこだわりも,気にしなければならないこだわりなのだよ。
街灯立てられる人になれたらなあ・・・ならないとなあ。


これシネムジカ,音楽と映画のコラボ・・・みたいな作品なんですね。
なるほど〜。

中盤に,PVのようにそれまでのシーンを繋いだような映像が入って,なんだこりゃ?と思ったのですが,そういうコトもあったのでしょうか。
時間の流れを見せるワケでもなく,ただそれまでのシーンが繋がれててよくわからず。
で,何でもないと思ったらふと新しいシーンも入ってくる。
ちょっと面食らいました。
映画としてはいらない・・・2人のプロモーションビデオみたいだった・・・。