『テラビシアにかける橋』を観に行ってまいりました。

こんなお話だったとはー。
予告編しか見ていないのですが,その予告は,わりとファンタジーを前面に出していたように思います。
で,ちょっと"それだけじゃない"というさわりもプラス。
その「転」なんかの部分は想像どおりだったワケですが,それでも全体的にちょっと印象の違った作品でした。
(観終わって思い返してみると,なるほどーという予告編で間違ってないのですが。)

もう号泣でした。
単純な涙が止まらず。
ただただボロボロと。

あー・・・,こういうのを映画と言うんだろうなあ。
これは,映画だからイイんだろうなあ。
映画じゃなきゃできないかもなあ。

「ドラマ」だったけど,映画らしいドラマだったように思います。
おもしろく,そしてちょっと楽しい作品でした。
上も下も女の子に囲まれ,お父さんとの間もイマイチで(お互いの理解がなかなか。),なんだかひとりぼっちのような気がしているジェシーくん。
彼のキャラクターの描き方が良いですな。
あからさまにジタバタせず,グーッと溜め込んでいる男の子。
大袈裟に描かれていないけど,でもなんだかすごく彼の気持ちを感じることができる。
「なんだかなー,うん,わかるよ。」とそんな感じ。

ジェシーくんだけじゃなく,お父さんもレスリーちゃんも妹もなんだかそれぞれの気持ちを感じることができる。
脇だけど,それぞれの家族も学校の子も先生も,いやらしくなく,でもこのお話には欠かせないような気がする・・・。
さりげなく,そこにいる。

うまく言えませんが,それぞれがすごく人間らしい,現実感のある存在だなあと。
そして,もっといろんなタイプももちろんいるのですが,みんな同じような雰囲気の人たちだなあと。

あったかいとか,そういうところまではいかない。
キーパーソンて程でもない。
だけど,テラビシアの対象としてイイ描き方をされているなあと思いました。

転校生が・・・ってのは,まあつくり話っぽいわけで,現実味は薄め。
いろんな作品でこういう設定は見ますしねえ。

だけど,「物語」をつくる上で,この設定は別に悪いもんじゃないんだな,と。
だってお話が始まらないもの。
普遍の日々,ひとりのヒトによって変わる・始まる日々。
一緒に物語の世界へ・・・という入り口としてあってイイ設定。
イイのだ,と思いました。

イイ映画でした。
お話自体はそれほど意外なモノではありませんが,そのお話を描くために使っている設定と,その組み合わせが良いなあと思いました。
テラビシアを力いっぱい描くことによって,ジェシーくんの心も同時にしっかりと描かれている。
だから余計に泣けるのかも。
ファンタジーではなく,ふつうのお話。
ジェシーくんもふつうの男の子。
何かが大きく変わるのではなく,こんな時間もあったよなーという誰もが共感できるお話かもしれません。
ドラマは劇的じゃないのですな,実は。
普通なのですなあ。

「女のクセに」「男のクセに」「上級生とは戦えないの?」
こういうコトを意味のあるものとして,自分に入れるのはなかなか難しいのですが,うまく伝えてくれているように思います。

イイお話というより,イイ映画。
ちょっとファンタジー要素を楽しみ,現実のドラマも楽しみ,という。

お父さんとの関係をもう一歩進めたものを見たいなあとか,同級生とかちょっとその後が気になるところもあるのかもしれませんが,なんだかまあイイか,と。
ラストでうまく閉められた気がします。
「まあおもしろかったから,イイか。」