今年はわりと,舞台演劇のDVDを観た気がします。
というワケで感想をちょっとずつ。

たぶん,一番笑って,わかりやすくて好きだったのが『泥棒役者』です。

とある家に忍び込んだ泥棒だが,たまたま来た男にそこの住人だと勘違いされる。
とりあえず,泥棒だとは言えないからいろいろウソをつくワケです。
しかも運の悪いことに,さらに次々と人が現れ,その度にウソをついていろんな人物になりきらねばならなくなるという。

新しい人が登場する度にパニックになりながらもなんとか切り抜けようと演じ続ける泥棒。
「あなた,ご主人?」「君が新しい・・・」「先生!」。
それぞれの勘違いから,右往左往。
相手が違えば名前も変わるわけで。
でもその場には何人も人がいる。
ちょっと変わった人も混じっちゃってるから,話はどんどん可笑しく複雑に。

舞台上は複雑な人間関係。
でも観ている方はとってもわかりやすくて,単純にそのバカバカしさに笑えて。
ずーっと笑いっぱなしです。
泥棒役は,片桐仁さん。
この人の,「ぇえーーーっ?」っていう言い方が好きです。
そしてバネのあるような妙な足取りや動き。
堅めな役もいけるけど,コメディでのこういう感じの役がホントにイイ。
好きな役者さんです。

冒頭の泥棒チームのシーンだけでも十分爆笑できる作品です。
いきなり飛ばしまくる会話が続いて。
あー,おもしろいんだろうなあと一気に引き込まれる。
出し切っちゃってないだろうかと心配になるくらいいろんな笑いが入ってます。
ホントは泥棒さんも相当変わったキャラだったんだよなあと見返して思うのです。
(最初の男が濃すぎるからなあ。)

その最初の男,変わったキモイ勘違いセールスマン。
ちょっと狙いすぎの風貌と名前(轟さん)なのがくどいです。
十分おもしろキャラだし,ふつーでイイと思うんだけどなあ。
あーでも,「愛し合ってるからでしょ」とか「こら,言わせたいだけだなー」とか,この人だから言えるセリフかなーとも思えます。
こいつのせいでいろんなコトが・・・!すべてが・・・!ってなところで,いい役ですな。

初舞台の上野なつひさんも良かったです。
濃いみなさんに負けない存在感。
堅そうだけどちょっと怖いキレイなおねえさんを,いい声で演じていらっしゃいました。(声の抜け方がイイです。好きです。)

笑いっぱなしの舞台だけど,目も耳もうるさくなり過ぎなてなく。
家の玄関リビングと書斎が舞台で,セットチェンジもないけど,人の入れ替わりや組み合わせを変え,疲れて飽きてくる後半(話の展開や暗転を適度に入れて)になっても観ている方のテンションも変わらず。

良い喜劇です。

たった90分という短いお芝居なのに,すごく満足のできる長さ。
たくさんの人物も出てくるし,いろんな話も展開する。
でも,短すぎるとか,話が中途半端とか,走り過ぎてるとかそんなこともなく。
2時間や3時間の作品と同じように,満足できる内容。
時間の長さじゃないんだなあ。

役者として何本か観ましたが,作・演出の西田征史さん。
作り手としてもおもしろい人のようで,良いですな。

あっ,ホロッとできるお話でもあります。
「タマとミキ」(逆)。
本を巡ってのあったかいお話はうまく展開つけてて,ちょっと目に涙が・・・。
シーンとなりそうだけど,イイ加減でドタバタ感も残してて。(ひとりがしんみりさせといて,そこに答える人は爆笑を誘うことを言う。)
ドミノに手紙に・・・。
同じ感覚で笑いも続く。
もう,泣き笑いですな。

楽しく観ることが出来ました。
そして何度観ても爆笑できます。