観に行ってまいりました,『大統領暗殺』。
今生きている現大統領が殺される,しかもあのアメリカのあのブッシュ大統領だっていう,なかなか面白いところを描いた作品。

タイトルだけ見て,これは映画だと言われると,なんだかハリウッド映画にありそうなストーリーを思いつく。
暗殺の計画を知ったヒーローが必死で守るか,暗殺のためにヒトが動く話か。
でもこの作品はどちらとも違います。

大統領が暗殺された。
犯人は誰だ。
動機は。
何の陰謀だ。
あの国が,あの国の人間が,あの宗教のヒトたちが・・・。
アメリカはどうする。

まあ,エスカレートします。
暴走?
でもたくさんの人々が銃を持っている,持たざるを得ない国では止められないんだろうなあ。

メチャクチャになっちゃうんだろうなー。
いろんなコトが。
アメリカという国が。
そして多くの国が。
世界の人々が。

これ,ちっとも「おもしろい」なんて言ってられないのです。
もしホントになっちゃったらどうすんだっ,と怖くなります。
脚本・台本を書いて,作られたモノではあるけれど,その作られたひとつひとつのモノが,現実にありえないとは言えないモノでした。
そして,今この時代でブッシュ大統領暗殺がものすごく恐ろしいコトなんだと。

暗殺そのものが恐ろしいコトなんじゃなくて,その後が恐ろしいコトになり得るのです。
ここ数年を思うと,ありえないコトじゃない。

どうなってしまうのでしょう。
不安定な時代です。
なんだか,ツライ。
今この時代に生きるのがツライ。
映画を観て楽しむという小さな世界でのんびり生きているこの瞬間がとても幸せなコトだと思う。

ホントにキッチリ作りこんでいる作品。
「実話です」と売り込まれて観たら,「ドキュメンタリーにしたのですね」と軽く返す感じ。

暗殺という事件。
一体このとき何が起こり,犯人についてどういう捜査やどういう裁判があったのか。
大統領のすぐそばで働いていたヒトたち,捜査に関わったヒトたち,捜査されたヒトたち・・・この事件に関わった多くのヒトの証言VTRが並ぶ。
そして,事件当日の大統領の動き,大統領のいる場のまわりの状況などが,監視カメラやマスコミのカメラ,ニュース映像など,あらゆる映像を繋ぎ合わせて追われる。

揺れるカメラ,乱れる映像,いかにもいそうな捜査官や容疑者たち。
鑑識のヒトとか容疑者となったヒトの奥さんのインタビュー映像なんて,特に,役者だとは思えない。
「あー,こんなヒトいそうだー」なんて思える雰囲気でした。
作りモノだとわかっていても,これは作りモノではない,と思える。

大統領の映像とか,ホントの映像もたくさん使っているようですがね。

ドキュメンタリーなのか,フィクションなのか,どう見ればイイのか迷います。
それによって,見方も変わるし,出来具合いも違って見えるはずなのに。
と思っているうちに,いろんなコトが想像できて,スクリーンに映らないニュース映像が想像できるようになり,さらに現実のものに思えてきたり・・・。

おもしろい作品でした。


事件は2007年10月19日に起こります。


そうそう。
なんとなく。
アメリカは,背後にガケがあったとしても,ガケが見えない振りをしたりガケを気のせいだと思い込みながら「私たちは大丈夫,私たちは強いんだもの!」とお互いに言い聞かせているように思います。
一方日本は,背後がガケだと思い込んで,ガケだと言い触らして,「もうガケなんだから何でもやるしかないんです!」と,他に道があるはずなのにとりあえず見つけた道を走って,後戻りする気なしに思えます。
政治が。

どう走っても自分たちの足元はぬかるんでいるコトに気づかないんだよな。
動かずそっからなんとか固めればイイのに。

冒頭に出てくる,ブッシュ大統領の演説を見ながらふと思いました。