連日映画館・・・。
本日は,ピーター・ラビットの作者,ビアトリクス・ポターの半生を描いた『ミス・ポター』を観に行ってまいりました。

彼女の長年書き続けていた「ともだち」の絵とお話の出版が決まって,それから男性と知り合って,それから・・・。
ピーター・ラビットの絵は知っているけど,お話はあまり知らなくて。
ミス・ポターに関しても昔英語の教科書に載っていたナショナル・トラストの人・・・という程度のコトしか知らなかったのですが。

うん,勝手にうっすら想像していたようなところを裏切っていないシンプルなお話でした。
100年前のロンドン,湖水地方の美しい景色,上流階級の人たち・・・。
イギリス映画らしく,そしてひと昔前のイギリスに持っているイメージそのまま。
ミス・ポターも,お嬢さまとして育てられた人らしい周囲で,彼女自身はおともだちがアレだけれども,こういう人もいたかもねーというような女性で。
特別おもしろいコトも,特別涙が出るようなコトもなく(いや,ないワケではないけれども。),静かに安心して観ていられるお話。
一歩二歩と踏み出していく彼女の半生を,優しく静かに描いています。

ポター家やロンドンの街のクラシックな建物や家具,それから湖水地方の別荘や森などの自然の美しさ,人々の衣装や持ち物・・・。
どれも観ているだけで,あーなんだかイイなあというモノ。
うーん,うまくいえないけど,とにかく好きなのです。
おもちゃ箱みたい。
それから,おとぎ話の世界みたい。
でも遠く離れた国にはあの景色が実際にあるのだなあ。

それに加えて,動き出すピーター・ラビットたちのアニメーションもかわいらしい。
ビアトリクスだけに見えるともだちの動く姿。
アニメーションだけど,それが自然に映画の中に溶け込んでて。
ビアトリクスが困ったヒトに見えるワケでもなく,話の流れを止めるワケでもなく,でも彼女の気持ちをうまく表現していて。
この映画の世界に合っていて良かったです。

それにしても,レニー・ゼルウィガーは毎回顔に悩むのだが,時間が経つと見慣れてきてかわいらしく観えてくる人。
この作品でも,同じです。
そして,ああいう衣装や不器用な感じがやはり似合いますな。

ちと眠くなるかもしれないけど,ちと癒される作品でもあります。