『包帯クラブ』を観に行ってまいりました。

包帯クラブって何?おもしろクラブ?とかるーい想像をして,かるーい気持ちで観に行ってビックリ。
こういう映画だったとは・・・。
とっても痛々しくて,せつなくて,でもちょっとやさしくて,あったかくて。
感動するとか,おもしろいとか,そういうんじゃなくて,なんだか大事に大事にしてあげたいと思うようなお話。
お話じゃなくて,彼ら,かなあ。

包帯をとってもあったかく感じるお話です。
こういう映画,わりと・・・かなり好き。

良かったです。
ひっさしぶりに本気で号泣しました。
涙を堪え切れなくて,ボロボロずるずる・・・。
あれは,悲しい涙が主だったように思います。

包帯って使った記憶がすごく少なく,ちっとも身近なものじゃないんだけど。
でも,たくさん包帯が巻かれているのを見ていると,ワラが感じたその包帯の魅力がわかるような気がしました。
ワラがシオのために巻いた包帯を見ていたら,包帯クラブの巻いた包帯を見ていたら,私も依頼したくなった。

ホントに本気で,「包帯」になってくれそうだと思えました。
病んでるかなあ・・・。
包帯クラブに入りたいか,包帯クラブに依頼したいか。
前者でありたいと思うのがイイんだろうけどなあ。

もちろんクラブの面々だって,包帯が必要なんだけど。
・・・って,そのことを思い出したら,また涙が止まらなくなってきました。
ワラちゃんが悩んでた,親って子どもが・・・って告白は,聞いててすごく悲しかった。
ワラちゃんをギューッと抱きしめたかった。
ディノくんの告白も,ワラちゃんと一緒に抱きしめてあげたかった。

私にはしてあげられることなんて思いつかないし,どうやっても彼らに意味のある包帯を巻いてあげることはできない。
励ましたり,応援できるようなコトじゃない。
でも,放ってはおけない子たち・・・。
スクリーンの中の,キャラクターとしての彼らではあるけれど,ものっすごく感情移入してしまいました。

つらくて,せつなくて,涙が止まらなかったです。
だから,悲しい涙。

ワラちゃんもディノくんもいいキャラです。
2人を演じた柳楽くんも石原さとみちゃんも,イイ意味でものすごく高校生らしくて,そしてこの包帯クラブという映画の中の登場人物らしくて,良かったです。

抱えているものは切なすぎるけど,みんな普通の高校生で。
おバカだし,とぼけてるし,大笑いする。
そんな彼らを描くテンポもわりと軽快。

ところどころ詩的で,ディノやワラが何を言っているのかわかりづらいところもあったけど,でも,例えばオープニングシーンでワラちゃんが「失なっていく」というコトを言っている言葉なんかはすごーく伝わった。
彼女たちが悩んでいること。
もう高校生だったのは10年も前のコトだけど,年齢関係なくわかるなーと思いました。
楽しかったり一生懸命だったりする瞬間もあるけど,ふと周りがなんにもなくなっていく感覚ってあって。
なんだかなーって。

そういう感じで普通に入っていけて,高校生の彼らの日々を観ていける。
だから,うっかり感情移入もしちゃう。

ディノくんがやっちゃった大事は,ちょっとベタで,映画だから成立しちゃうようなコトで。
なんだかちょっとズルイなーと思いました。
撮影方法とか,長めのシーンにしてることとか,おもいっきり印象付けようとしているようなシーン。
なんとなく想像できるんだけど,でも,ここまで映画を観ていた方にとっては,あっさり負けちゃう。
ディノくんのかわいさに負けちゃう。
ディノくんの姿を見て,ディノくんの気持ちを思うと,泣かずにはいられない。

ツライ,けど,こういう映画もイイですな。

エンドロールのたくさんの写真が良いです。
自分ならどこに巻いてもらいたいだろうと,ずーっと考えています。

でもやっぱり包帯巻くのは,犯罪だよ。
迷惑だよ,な。