マット・デイモンが出てる・・・!というワケで,やっとこさ『ディパーテッド』を観に行ってまいりました。

モトの『インファナル・アフェア』と同じ,ドキドキ感があって,最後まで画面に釘付けになってしまうおもしろい作品でした。
なんていうか・・・思わず口を開けて前に身を乗り出してしまう感じ。
ホッと息つく間もなく話は進むし,役者の姿に目が離せない。
あっという間の2時間半で,長いなんて思っているヒマもなかったです。
観に来てよかったなあ・・・と心から思いました。

とりあえず・・・短髪のディカプリオさんは,ちょっと若く見えてカッコよかったです。
そして,表情の演技とか,ああやっぱりこのヒトうまいんだろうなあと思いました。
特にコステロとか警部たちに詰め寄ってる表情がすごく悲しげで・・・。
それから,コリンからの電話が鳴るシーンの緊迫感は最高。
心臓バクバクしてしまいました。
この2人の配役は想像通りでした。
そしてやっぱりぴったりだっと思います。
マット・デイモンはこういう役で,ちょっと嫌われちゃったりしてもイイのだ。

私はマット・デイモンが大好きなんだけどそれは置いといて,今回はディカプリオさんの方がイイ役だったし良かった気がします。
どちらかというと,素直な気持ちだけで観ていると,ビリーの方を応援したくなる。
コリンのどうしようもない,どうにもできない状況とか気持ちとかもよくよく考えるとすごくわかるんだけど,でも。
やっぱり"憎めない"感じはビリーの方が大きいのかなー,と。
いっぱいいっぱいなのが見えているからかなあ。

あー,でも実はエンドロールが終わって席を立った瞬間,急に涙が溢れてきました。
なんだか2人の男の人生を思うと,とっても哀しかったのです。
2人とも。
2人の男は,あれが決してそうなりたくて進んで歩んだ道だったワケじゃない。
ビリーはちゃんと警官になりたかったけど,バックグラウンドがそうさせてくれなかった。
コリンは聖職者の道も考えていたし,もっと上も目指していたけど,"父さん"の教えに従った。
2人ともいつかは・・・と平凡な幸せを思い描いていたと思う。
だけど,なかなかその方向へは行けなくて。
結局渦の中に巻き込まれたまま,時が過ぎてしまっていってそして・・・。
そう思うと,とっても哀しかったのです。

"アイルランド系"とか,背景はよく知らないのでいまいち理解できなかったのですが,描きたかったであろう核の部分ではわかりやすくて。
あっちもこっちも"ネズミ"で,みんなが騙しあい裏切りあっているんだけど,その辺をすごく簡潔にわかりやすく描いてあった。
それから,事件とか人間関係とかそういうこともよく出来ていたけど,特にそれぞれの"人間"が丁寧に描かれていたように思います。
ビリー,コリン,それからコステロという男たちの存在感が,そのキャラクターとそして俳優の演技で大きかったです。
サスペンスドラマでもあり,人間ドラマでもあった。
決して後味が良いとは言えないけど,おもしろい作品でした。

そうそう,『インファナル・アフェア』と違って,頭撃ち抜くシーン満載(ホントに生々しく満載)なのがイタイですが,ただのアクション映画になってなくて良かったです。
それから,ちょっと頭の良すぎるヒトたちなので,ビリーとコステロの会話とか,時々意味深だけど結局意味のわからないセリフが出てきて困りました。