予告を観て気になっていた(これ絶対泣くよね・・・というぐあいに。)『手紙』を観に行ってきました。

早くに両親を亡くした兄弟。
強盗殺人をしてしまった服役中のお兄さんと,ひとりで生きる弟。
お兄さんは弟に毎月手紙を書く。
弟も返事を書く。

実は弟は兄のコトで仕事も生活もうまく行かなくて,兄のせいで差別を受けていると考えている。
どこにいても,どんなに隠しても,うまく行き始めたところでバレてしまい,ツライ想いをするコトになる。
そんな弟のお話。
それだけ。

ストーリーはそんなに記憶に残る作品じゃないけど。
でも,心に響くモノのあった作品でした。
映画の内容は忘れても,忘れられないシーンがあって。
号泣しました。

帰り道,思い出しては涙がこみ上げてきて,また泣きました。
正直,弟のつらさっていうのはあんまり現実のモノとして考えづらく,胸が痛くならなくて。
そりゃ,大好きなお兄さんが自分のために犯罪を犯して服役していて,で,その弟だからって家を追い出されたり仕事をクビにされたり,恋人とうまく行かなくなったり,家族もツライ目にあったり・・・。
そういうコトがどんなにキツイか想像はできる。
でもなんだか観ていても,よく見かける不幸を背負った投げやりな少年(投げやりでも少年でもないんだけど。)の域を出ていなくて。
ギューッと胸をつねられるくらい痛い想いを感じるのかと思っていただけに,なんだかなー。
期待が大きすぎてってのもあると思うのですが,あんまり共感できませんでした。
マジメなんだかどうなんだか,キャラもイマイチわからなかったし・・・。

で。
どうやらこの作品は自分がうっすら思い描いていたモノと違ったようで。
お兄さんのコトでツライけど手紙を通してがんばるんだっていうモノでも,いろいろ乗り越えて成功するんだっていうモノでも,ハッピーエンドを目指すような話じゃなくて。
想像以上に,ずしーんと重いお話。
単なる,残された者や弟の話じゃなかった。
いろんなコトや,いろんなヒトのコトを想って,どうしていいかわからなくなるような感じのまま終わったように思います。
これ,それぞれの未来が決して明るいモノだけではないとわかっているから,余計につらく重いのかな・・・。

うーん。
逃げちゃダメだとか言われても,そんなのそう簡単に受け入れられるコトじゃない。
そんな勇気があるヒトなんていない。
たぶん,弟は逃げなかったワケではないと思うのです。
ただちょっと立ち止まってみながら生きている。
そして,お兄さん自身を憎んでいるワケじゃない。
どうしていいかわかんないけど,生きなくちゃなんない。
守らなくちゃなんない。
ひたすら自分勝手なヒトじゃなかったというコトだけなんだと思う。

だからまだ未来は見えない。

これね,タイトルが『手紙』なんです。
後半,手紙は兄弟の間の「元気ですか?」のモノだけじゃなく,他にも手紙が出てきて。
弟がもらって出す手紙だけじゃなくて,兄がもらう手紙でもあって,兄が出す手紙の話でもあって・・・。

結局最後はお兄さんの姿に号泣。
毎月手紙を書いて,返事が届くのを楽しみに待って,弟が仕事に就いたり成功して活躍している姿を見て喜んでいたお兄さん。
久しぶりにもらった手紙には,「もう・・・」と書かれていて,そこでいろんなコトを悟って。
その部屋で手紙を読んでいる姿や,庭の影のところに座っている姿は,なんだか自分のコトのようにつらく悲しくて。
で,お兄さんもきっと「もう・・・」って思ったと思う。
そしたら思いも寄らないところで・・・。
手を合わせてうつむいて号泣しているお兄さんの姿は忘れられません。

嬉しかったと思う。
罪を犯してしまったコト,そのことで弟が苦しんでいるというコト,償わなくてはならないというコト・・・。
どうしていいかわからないまま。
でもココで姿を見れたってコトだけで,とにかく理由はないけど嬉しかったと思う。
なんだかわかる気がします。(私は姉の立場だから。)

あのお兄さんの姿を思い出すと,未だに涙が止まりません。

「無視」はできない。
しょうがないんだよ,兄弟なんだもん。
結局逃げられるもんじゃなくて。
やっぱり向き合わなくちゃいけなくて。
まあそんなコトはわかっているけど,その受け入れるってところに辿り着くまでは長い道のりで。
どうしていいかわからないっていうのとひたすら戦って。

手紙で繋がっていたヒトたちはみんな,どうしていいかわからないとそれぞれ戦ってた。
そして,答えは出せてはいないけど,それぞれ何かひとつ吹っ切った。

人生って,自分の一生だけでも十分長いけど,その自分に繋がる人たちも含めるともっともっと長くて。
生きるのって大変なんだよな。(と最近ずっと考えている。)

今後もいろいろあるだろうけど,ひとつ気持ち乗り越えたよねっていうお話だった気がします。


そう言えば,「お笑い」の2人がやるモノが普通にだんだん面白くなっていっていてビックリした。
爆笑とまではいかないけど,うっかり笑わせてもらった。