今年はわりと腰が重くて,なかなか映画を観に行くコトができていないのですが。
これだけはどうしても,何が何でも観に行きたくて。
公開2日目にして(ホントは初日に行きたかった。)観に行ってしまいました。
『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』。

木更津キャッツアイは本当に大好きでして。
ドラマはもちろん,日本シリーズも何回も観た。
シナリオ本も何回も読んだ。
キャッツの5人や,オジーにモー子,公助,ローズ姉さん,ヤクザコンビ・・・キャッツ出演者を見かけると,とりあえず気になる。

だから,このワールドシリーズはどうしても観たかった。
観ない理由がなかった。
そんなワケで,張り切って観に行ってきたのです。

相変わらず,おもしろかったです。
最初っから思いっきり飛ばしてくれて,笑わせてくれて。
「いやいやいや,そりゃないだろ」とか,「マジで?」とか,「意味わかんねぇ」とかツッコミどころ満載。
それに加えて,ぶっさんが死んじゃうってコトとかいろんなコトに対する,それぞれの「どうしていいのかわかんない」もどかしい感じとかも変わらずあって。
最後は普通に「野球やろうぜ」ってところに行くのも。

懐かしいなぁ。
そんな風に思い,そしてホッとしました。
ドラマがあって,映画化されて。
それからこの映画化第2弾で,おしまい。
このお話はおしまい。
終わってしまうのって,すごく寂しいはずなんだけど,でもちっとも寂しくない最後だったのです。

ぶっさんに,自然に「ばいばい」できた。
キャッツのみんなと同じように,スッキリした気持ちで「ばいばい」って。
ぶっさんは「あと半年」と言いながらいつまでも野球してて。
で,気づいたら遺影になってて,そして3回忌が来ちゃってて。
そんなんだったのに,とうとうホントに死んじゃったんだなっていうのを見せられちゃった。
それはそれですごく悲しいけど。
でも,なんだかすごくスッキリした。
「まだこの続編が観たい」とか,「もっともっと違うエピソードはもう観れないの?」とかじゃなくて,「よかった,ぶっさんにばいばいできたね」ってそれだけを想う。

よくある最終回って,なかなか納得できない,今まで引っぱってきたのは何なんだっていう中途半端な終わり方になっちゃうコトが多い気がするけど,コレは良かったです。
この最後に来て,ぶっさんの死にちゃんと向き合えた。
木更津もキャッツのメンバーも他のみんなもおっきなところでは何にも変わってないけど,でもちゃんと一区切り付けた気がします。

イイところで終わった,と心から思います。
あの「シーサイド・ばいばい」の曲が,映画を観てやっと心に響いてきました。
頭の中をぐるぐる。

エンドロール,日本シリーズからドラマの第1回まで戻ってく映像で。
いろいろ思い出させられます。
あの事件もこの事件も懐かしいお話でした。

特に,ぶっさんとバンビの関係を思い出すと,このワールドシリーズでのバンビの姿にすごく泣ける。
うーん,たぶんこのヒト,バンビとしての演技うまくなってきたのでは。
ぶっさん始めキャッツのメンバーへの想いとか,それから態度とかセリフとか根本のところはそんなに変わってないんだけど。
でもなんだかよりバンビらしくなったような・・・。
うっちーは叩き直されたので別として,ぶっさんもマスターもアニもあんまり変わってないけど,でもバンビは小鹿から鹿にはなったらしい役の成長だけじゃなくて,それ以上のモノをちょっと感じました。
公助さんの醸し出す,あの何とも言えない切ない雰囲気に次いで,印象に残る表情とかを見たような気がします。

今回は,ぶっさんと,公助さんと,バンビに泣かされた。
たくさん笑わせてくれて,それからたくさん泣かされるこのお話がやっぱり好きです。
ホントに。


ただ・・・。
ひとつの映画としては,気になるところがいっぱいあった。
日本シリーズほどちょこちょこと回が変わらなくて,「巻き戻し」なしで時間が変わるコトを繰り返すので混乱。
冒頭のシーンに繋げるとことか,それは必要なのかな,無理矢理過ぎないだろうかって思えてしまいました。
んー,そこまでしなくても,もうちょっとシンプルでも良かったんじゃないかなって。
ぶっさんの動向(死んだあとの。)は,そんな中途半端なら遡っていかなくても良かったんじゃないかな。
もし描きたいのなら,もっとしっかり描いて欲しかった。

このワールドシリーズは,みんなが「ばいばい」って言うためのお話。
でもその「ばいばい」を言うために集まるところまでのお話が,半分納得,半分めちゃくちゃ。
それぞれの気持ちはすごーく伝わって,理解できる。
それはセリフにも表情にもしっかり表れてて,痛いほど伝わりました。

すごくわかりやすい,単純なコト。
特に,このたくさん不器用なヒトたちが集まった『木更津キャッツアイ』っていうお話の中では,何にも言わなくても,ただひとつぶっさんの最後がどんなだったのか教えてもらっただけで十分伝わるコト。

だから,やっぱりあんまりいろいろ描かなくても良かったんじゃないかなーと思うのです。
野球をやるってコトと,泥棒するってコトを描くために,無理し過ぎちゃったように思いました。
USAチームとか映画の話とか野球場とか,この辺りがなー・・・。
ただ「野球しようぜ」っていう話じゃダメだったのかなー・・・。

うーん,よくわかりません。

ワールドシリーズだしね。
もし話が単純だったら,時間の映画にならないしね。
これはこれで良かったんだと思います。

日本シリーズでの,あの島のシーンと同じですな。
何がしたかったのかわからない,映画化記念シーンなんだと思うコトにしよう。

結局は相変わらずおもしろかったワケだし。
ぶっさんに「ばいばい」できたワケだし。

まだまだ書き足りないですが,一旦終了。
もう一度,観に行きたいと思っています。
「ばいばい」したけど,これも何回も観れそうな予感。