もう1本,今さらながら『Limit Of Love 海猿』も観てまいりました。

周りの女性の皆さんがものすごーいはまったようで,しつこく薦められていた作品。
話の内容より,とにかくカッコいい男たちを見て来い,って。
私,2年前の最初の映画が,どうも気に入らなかったのでその後は避けていたのですが・・・。

その1番気に入らなかったところはちゃんと解消されていました。
主人公の仙崎がどうも・・・っていう感想だったんだけど,全然問題なかった。
むしろ,涙が出るほどいろいろ伝わってきて,みんなが薦めたとおりでした。
最初の事件が起こる前のカンナへの想いも,見ているだけで痛いほどすごーく伝わるものがあったし,ドラマの方は見ていなかったのでこれまでの彼のコトは全くわからないけど,人を助けなきゃっていう想いも誰かが語る必要なくその姿や表情だけで感じられたように思います。
あー,これはホント良かった,ホッとしました・・・。
ただ。
やっぱりダメところは変わらずダメでした。
仙崎がどれだけカンナが好きなのかわからないけれど,あんまり応援する気になれず・・・。
もうすでに結婚するようで,これまで何があったのかはわからないのでそこは突っ込んじゃいけないんでしょうけど。

とりあえず,カンナ役は彼女でホントに良かったんだろうか。
無事帰ってくるか心配な彼氏を待つのが,彼女でホントに良かったんだろうか。
彼女自身は悪くないんだけど,この役には合っていないように思いました。
だって,出てくるたびにテンションが下がる。
海の上では,船の中では大変なコトになっているのに,ものすごい緊迫した状況なのに,どうも彼女からは何にも伝わって来なくて。
ひとり取り残されることになってしまったあの人の方が,その取り残されている姿は映されなくとも,その前後のちょっとだけのカットで十分伝わってきて胸が痛かったのに・・・。
彼氏がまだ無事じゃないなんて事態,考えずとも気持ちはすごくわかるはずなのに,彼女の姿を見るとイラッとするばかりで。
これ以上観たくなかった・・・。

それから,下川以外のあの司令室の人たちも勿体無い。
イイ役者さんたちのはずなのに,どうも損な役を中途半端に演られているようにしか思えず・・・。
あれだけ人を使うなら,味のある役にさせてあげればイイのになー。

正直,観ている途中で結末さえわかればもうこれは2度と観たくないと思っていました。
とことん「海猿」の彼らを描いてくれた方が良かったかな,と。
あの船の中の4人のシーンだけを繋ぎ合わせた映像ならもう1度,いや何回でも観たい。
数時間の中でいろいろ気持ちが変化していく様とか,人間らしい気持ちの揺れやその吐き出し方とか,それぞれへの想いとかやり取りとか,全てがうまいなあと。
舞台で生で観てみたいやり取りですな。

"海猿"の人たちの話はおもしろいんです。
助けてくれる人たちっていうのは,やっぱりカッコいいんです。
そこにはドラマがいっぱいあるんです。
だからこういう話はイイはずなんです。

でもこれがうまく描けないと,ちょっと・・・。
すごくドラマを感じさせる部分と,シラーッとさせられる部分両方がごちゃごちゃした作品のようでした。
救助する様とか救助される人たちの姿とかすごく良かったのに,そこを音楽とか映像の切り方で躓かされながら見せられた気がしました・・・。
なんか消化不良だ。