昨日久しぶりに映画館に行きまして,『ダ・ヴィンチ・コード』を観てまいりました。

映画として,なかなかおもしろかったです。
歴史の話とその事実に絡めたフィクション(仮説?)が軸になるストーリーと,それからいろんな登場人物や謎解きが繰り返される宝探し的なミステリーの両方がそれぞれ興味深くてワクワクさせられました。
「ダ・ヴィンチの秘密」のあたりがよく取り上げられていますが,その内容の深いところについてのおもしろさを抜きにして観ても,ミステリーとして楽しんでみられるイイ娯楽映画ではないかと。
きっとこの作品は,原作も含めて見方は人それぞれになると思うけど,宗教に絡んだコトを全然遠い世界のコトのように見てしまう私にとっては,ワクワクするミステリー映画でした。
(あー・・・,最近観たばかりだからだろうけど,『ナショナル・トレジャー』を思い出した。ナゾを解いていくワクワク感というところでは似てます。)
事件の発端をはっきりと説明をしないままグーッと観ている側を引きずり込むプロローグ。
自分では解けないようなナゾ(暗号)を目を丸くしてしまうような勢いで解いていく主人公。
それから次々と怪しいヒトが出てきたり,追い掛けっこしたり,さらに主人公自身の過去も絡んできたり・・・と観ていてちっとも飽きません。

それから。
男女のコンビをこういう感じにストーリーの軸にしようとすると,わりと,ストーリーにあんまり関係ないところで2人の関係を描こうとがんばってしまってそれが腹立つコトがたびたびあるんですが。
この作品での2人(―頭の回転が早く,ひらめく力と知識を持った賢い教授&弱さのようなモノはあんまり感じさせないけど影もありカギを握る女性のコンビ―)は,妙に馴れ馴れしくなってしまうところまで行かず,ゴールに真っ直ぐ向かっている感じがまた良かったです。
まあトム・ハンクスとオドレイ・トトゥの2人というところですでに親子のような雰囲気が最初からある気がしますが。

ワルイ人・ヨイ人,いろんな人が出てきます。
でも,それが良い悪いに関係なく,どの人も何かを信じるがゆえにの行動や考えで。
理解できるかどうかっていうとまたそれは別だけど,でもイラッとせずに観ていることができました。
人間に,ではなく「物事」に振り回されちゃっているから仕方がないというか・・・。

で,そんな人たちの代表シラスを演じたのは,ポール・ベタニー。
ちょっと前のテニス・プレーヤーの役は,悪くないけどあんまりクセがないキャラクターでつまらないように思えたので,今回の役は出てきた瞬間に「よしっ」と頷いてしまいました。
くどくない顔に,色素欠乏症の特殊メイク,全身を隠す法衣,そして悲しげな目・・・。
もうきっとすがるしかなかったんだろうなという,暗い影を背負ったシラスという男は深く印象に残ります。
観るたび好きになるベタニーさん。
今後をさらに期待したくなりました。

えーと,原作はプロローグ(ソニエールが出てくるとこだけ)までしか読んでません。
ダ・ヴィンチの絵画に秘められたいろんなコトは,ちょっと前(あ!岡山行ったとき。)にテレビでちょうど観たのでちょっと知ってて,辿り着くコトとか絵画についての説明あたりはわかっていたのですが。
でも司教とか警部とかイギリス人とか銀行の人とか,あの辺の人たちのコトが,出てくる人の言葉だけでは,意味不明なところとか説明不足だろうと思うコトがわりとあったように思います。
目的とかどうしよう・どうしたいと思っているコトはわかるんだけど,そのヒトの持つ背景みたいなモノの描かれ方が薄いかなー,と。
ちょこちょこ出てくるので,つながりとかも急に教えられても何が何だかついて行けなかったりも。

これって,いろいろ知っていた方がもっとおもしろいんだろうなあ。
キリスト教やルーブル美術館とかダヴィンチの絵画とか教会とか出てくるモノへの知識なんかをもっと持っていたら,ひとつひとつのセリフに込められたおもしろさとか,目で見るおもしろさとかもっと違ったのかも。
あーでも,このストーリーを全く知らずに,特に最後に辿り着くところを知らなかったら,それはそれでビックリのおもしろさがあるだろうし・・・。

どっちを取るか。
ただ,何かを前提に,知っているというコトを前提にして観ろという映画はあんまり好きじゃない。
それだけパッと観て,おーっ!とおもしろい!と思えるモノじゃないのは,フッと映画を楽しみたいと思ったときには避けてしまうだろうし,そう作らないのは卑怯だとちょっと思ってしまいます。
でもまあこの作品は,原作がすでに世界的ベストセラーだし,知識を持っているヒトも多いはずの話だからイイのか・・・。
でもやっぱり何にも知らないヒトにも楽しんでもらえるモノこそ,イイと思うんだけどなー。

でもまあなんだかんだ言って,あっという間に時間が過ぎてしまって,楽しめました。
原作をちゃんと読んだら,もう一度観に行きたいと思いました。